風に吹かれて

風に託すのは遠き夢 風に囁くのは儚き恋 風は形のない遠い記憶…

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カワセミに逢いたい

アイリスは、久しぶりの休日だけれど翡翠に逢いたい一心で、早起きをして自分の洗濯物を終わらせた。
今日は、わたしが午後から仕事なので午前中しか時間がなかった。
「翡翠は、たぶん、10時頃、あの水路にやってくると思うわ。だから、9時半には家を出ないとね」
と、言うわたしに、アイリスは『どうして、分かるの?』と不思議そうな顔をした。
「今までに、その時間帯に4回出会ったからよ。あと、午後3時半過ぎにも1回逢ったことあるけどね」
『ふうん、そういうものなの?逢えるといいなぁ…』
今朝は、かなり寒いし、風もあるからとわたしたちはダウンのコートに毛糸のマフラーと帽子、
そして手袋、背中にはホッカイロと完全装備で家を出た。
『おかあさん、公園に紅梅が咲いていたから、見ていこうよ。知っていた?』とアイリス。
「ううん、知らなかったわ。そうね。もうそんな時季なのね。見ていきましょう。」
青梅の公園には、ほとんど、どこにも梅の木が植えてあるのだった。
ここの公園の紅梅は、毎年、お正月には真っ先に花を咲かせる。最近は、あまり降らないけれど、もし、雪が降ったら、白い雪の中で咲くピンクの紅梅とのコラボが見れたりするのだった。
公園に着くと、今年も暖かな陽だまりの中、綺麗な花を咲かせていた。
「春だね~!」ってことで、早速1枚。アイリスは携帯のカメラで、背伸びをしながら撮っていた。
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こんなに、愛らしい花だったかしら?望遠で引き寄せてそう思った。
かんざしみたい…明日は成人式だけれど、髪を結い上げた黒髪に、そっと差したら似合いそう。
     梅一輪 いちりんほどの暖かさ  服部嵐風    そんな感じ(*^_^*)
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赤い椿も咲き出していたし、コブシも冬芽を膨らめていた。枝先まで、真っ白に上り詰めて咲くコブシの花が咲く季節も、もうすぐそこまで来ている。民家の庭には、蝋梅が花盛りだった。

畑の上を、吹き抜けていく風が青空の雲を飛ばしていく。遠く奥多摩の山が青くくっきりと浮かび上がって綺麗だった。
すると、遠くの林のから一羽の鷹が翼を広げて飛んできた。
『あっ、トビかしら?翼が白いよ』アイリスは目ざとく見つけて観察していた。
「ノスリかも知れないよ。風を捕まえて、ほら、どんどん上昇していくわ!」
『わぁ、かっこいいね!気持ちよさそう!』

すると、今度はムクドリが、畑から電線に上がった。「ほら、オレンジ色の足をしてるでしょ?」
『あっ、ほんと、靴下を履いてるみたいで可愛いね。顔は何だか、汚したような斑模様ね』
そんな調子で歩いていくと、道端に、木の葉にそっくりな翅と鮮やかな橙色の裏翅を広げて、蛾が死んでいた。
「アケビコノハという蛾だよ。成虫で越冬するらしいけど、寒さで力尽きたのかな?かわいそうにね。写真に撮っておいてあげよう…」
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(苦手な人は大きくしないでくださいね)

後ろから来た自転車が2台、その亡骸を引きそうになる…わたしたちは、ドキッとした。
『あっ!』アイリスは小さく叫んで近くにあった笹の葉を摘んで、その葉の上に蛾を載せて畑の木の根元へと移した。「死んでしまっていても、潰されたらかわいそうだものね。おかあさんもそうするつもりだったよ。気が合ったね」(笑)
あんなに虫が嫌いだった娘が、こんな大きな蛾を運んであげるなんて、自然を愛する心が芽生えたのだなと思った。
わたしがそうだったように、何かひとつのものに興味を持って、それを知りたいと思う心が、見えない糸を手繰り寄せるように、またその先の何かに繋がっていく、自然界の中には、そんな不思議や素敵がいっぱいあるのだった。生きとし、生けるもの、すべてに命があるのだということ、それをいとおしく思う気持ちの芽生えは、自然への憧憬につながるような気がした。

『わたし、雨も好きだけれど、今日、晴れて欲しいって凄く思ったよ。鳥を見に行きたくてたまらなかったの!』と笑いながらアイリスが言った。すっかり、鳥見にはまったようだ。
『双眼鏡を買ってあげてください。自然への扉が開きますよ』そう、アドバイスしてくれたナチュラリストのTさんの言葉通りだと思った。

わたしたちは、霞川の歩道に入った。最初に目に入ったのはやっぱりカルガモたちだった。
水路を気持ち良さそうに泳いでくる。セキレイたちもやってきた。
『かわいいね!カルガモを見てると飽きないわ』と、アイリスは言う。
「そうだね。必ず、逢える鳥がいるっていいよね。こうして毎週通っていれば、そのうちカルガモのヒナも見れるかもしれないわね」 『ほんと?いつ頃?』と、アイリスは目を輝かせる。
「いつ頃かな?お母さんは、夏の尾瀬でヒナを連れたカルガモを見たことがあるから、その頃かなぁ…この川で生まれたヒナを見れたら素敵だね。」

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次に現れたのは、やはり、この川の住人のコサギだった。水路の上を低く飛んでわたしたちの目の高さを飛んでいった。アイリスは目を見張る。
そして、川に降り立つと、すくっと独特のポーカーフェイスで佇んだ。真っ白な体が水面に映って波に揺れた。『なんだか、黄昏てるみたい(笑)おじいさんみたいだね。』とアイリスは笑った。

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『カワセミいないかなぁ?』「あの、土手の水辺に近いところの切り株みたいなのがあるでしょ、あの木に良く止まってたりするよ。」なんて、わたしが見かけた場所なんかを教えながら川面を覗く。すると、チーチーと鳴く細い声がする。あれ?もしかして。と思って目を凝らすと、川の中に繁った葦の影に青い影…「あっ!カワセミだよ!」と思わず叫んだ。
『えっ、どこどこ?』「ほら、この下の茂みの中」アイリスが覗いた瞬間、青い肢体を翻して、2羽のカワセミが上流へと川面を擦れ擦れに矢のように飛び去っていった。
「2羽いたのね。見れた?」 『うん、背中の青いところだけ目に焼きついてるけど、姿は見れなかった…』アイリスはとても残念そうな顔をした。
「カワセミはすばやいものね。でも、これで、この川で見れるって事、判ったでしょ。次にはきっともっと良く見れるよ。」 『うん、また今度だね!それにしても一瞬だったなぁ(笑)』

その後は、週末の森へとこの前の裏道で登ってゆく。民家の庭先のミツマタの木にジョウビタキのオスが見て取れたので、アイリスに教えた。二人して垣根の穴越しに覗く。
『あっ、この子だよ。いつも、わたしの仕事場から見える木に来るの。声がすると、ブラインド越しに見入るんだけどね。(笑)』「今日も、垣根越しだね。よその家のお庭を覗くんだから、超怪しいよね(笑)」『ふふ、覗きだよね(^_^;)でも、良く見れて嬉しい!羽の色が綺麗だね。』
「おしゃれだよね!銀ねずみ色の帽子に燕尾服を着ているダンディな紳士ってところだね」
『うん、顔が真っ黒で、お腹が綺麗なオレンジ色、あっ、背中を見せた、翼の白点が目立つね』
こんな風に、小さな路地にしゃがみこんで、小声で話し合ってる二人って、やっぱり怪しいんだろうなぁ。

次に現れたのは、民家の裏に佇む大きな柿の木にやってきたヒヨドリたち。カラスもいる。
『あれ、枝先でチョコチョコしてるのは、何かしら?』双眼鏡で覗いたら、愛らしいメジロたちだった。
「メジロよ。綺麗な鶯色の背中でしょう?そして目の周りが白い輪になってるでしょう?」
『あっ、本当だ!目の周りが白い!羽の色、いい色だね。わたしの大好きな色だよ。柿の実をつついてる、カワイイ~♪』
「メジロは、桜や梅の花の蜜も吸いにくるよ。蝶みたいだね。体も小さいし、かわいいよね。」
遠すぎて200mmじゃ、これくらいにしか撮れなかったけど…

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さて、尾根上の小さなピークに着いたけれど、今日は週末の森まで行く時間がない。ここから、里山へと降りることにした。その前に、ちょっと雑木林を抜けて、一面ススキが生い茂るカヤトの空き地を通り抜けることにした。
『おかあさん、凄いところだね。道なんかないじゃない?良くこんな所に入り込めるわね』
アイリスは呆れた顔をした。「この中は鳥たちがいっぱいいるのよ。でも、あなたが一人で来たときは入っちゃ駄目よ。危ないからね」と言うと、『危ないのは、おかあさんだって同じでしょ。』とアイリスに笑われてしまった。
時々、ホオジロたちの茶色い背中が見えたりするのだけれど、ベニマシコには逢えなかった。

森の中に戻り、枯葉の積もる道を降りてゆく、この辺りは、ルリビタキやシロハラに逢ったところ、時折り、梢ではコゲラの声がしていたけれど、今日は逢えそうもない。
小さな沢が流れていて、里山に着く頃、フユイチゴが今年もたくさん実っていた。
『毎年、同じ場所に、花が咲いて、その実が実るっていいね。何だか、誰かが咲かせてくれてるような気がするね。』と、アイリスが言った。
「真っ赤な赤い実は、きっと、鳥たちのご馳走だと思うわ」
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空き地には冬の陽射しが零れ、冬鳥たちがたくさんいそうな気がした。
アイリスも、『鳥がいそうな場所が、だんだん判って来た気がする!』と言った。
「へーぇ!凄いじゃない!もう、りっぱなバードウォッチャーじゃない」と言ったら、
『うん、鳥女が、一緒だからね!』と、いたずらっぽく笑う。
「なによそれ、妖怪みたいじゃないの。もっと、違う呼び方にしてよ(笑)」などと笑いあう。
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「そう言えば、今日はモズ吉に逢えなかったね。いつもは、あの水路の側の畑に必ずいるのにね」 『きっと、カワセミ、カワセミ、って言ってたから、焼きもち妬いちゃったのかしら?』
そんなことを話しながら、枯れ葉が舞い上がり、駆けてゆく道を歩いていたら、遠くの畑に鳥影が動く。
二人同時に見つけて、双眼鏡を覗く、『あっ!モズ吉だ!』 「不思議ね~!わたしたちの話を聞いてたのかしら?」そんなことをいいながら、愛らしい姿をしばらく二人で見つめていた。
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その後は、キセキレイが、小さな小川の側に姿を見せた。
アイリスは、キセキレイも初めて見たから、大喜び。
『とっても綺麗な羽の色、黄色い鳥は始めてみたわ!』
そして、最後に、なんと、ジョビコが現れた。紅いブランコに止まり、じっとわたしたちを見つめている。
肉眼でも十分に観察できる距離だったし、アイリスが近づいても逃げないのだった。
「最後に、ジョビちゃんに逢えてよかったね!」
『うん、ジョビコ、とってもかわいい顔していたね!』
ほんの短い時間だけれど、たくさんの鳥に逢えて充実した時間が過ごせた。
これから仕事じゃなかったら、もっとゆっくりするのだけれど…
「アイリス、急がせてごめんね」 『ううん、楽しかったよ!おかあさん、明日は、わたしが半日仕事だけれど、急いで帰ってくるから、また、鳥を見に行こうよ』
と言うことで、明日もまた、週末の森へ行く約束をした。
いよいよ、アイリスも、鳥見にはまったようだ。家に帰ってからも熱心に図鑑を眺めていた。
『おかあさん、わたし、自転車も買わなくちゃ…』なんと、自転車にもはまりそうな予感。(*^_^*)

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ジョビちゃん、あなたの魔法なの?
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桔梗(sizuku)

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