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風に吹かれて

風に託すのは遠き夢 風に囁くのは儚き恋 風は形のない遠い記憶…

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風の森

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畑の中の木のてっぺんや杭や、電線に止まったりしながら、さっきから付いてきてくれるモズ吉、やっぱり、また逢えたね。

「尻尾をピコン、ピコンと左右に振っているでしょ。
あれがモズの特徴なのよ。

目のところに黒い線があるでしょう、あれが、過眼線というの。
黒いのがオスで、もっと薄い茶色をしてるのがメスなのよ

頭が大きめで可愛い顔してるでしょ?いつもこの里山にいて、姿を見せてくれるのよ。
この子はオスだけど優しい顔をしたメスもいるのよ。

モズ吉とモズリンって、名前がついてるの、いい名前でしょ?」

わたしは、双眼鏡でモズを見ているアイリスに、立て続けに、そんな説明をしていた。
アイリスは、『なにそれ?おかあさんたら、なんにでもすぐ名前を付けちゃうんだから』と笑っていた。

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シルエットになったモズ吉。

そのうち、モズ吉は、セキレイの声を真似て囀りだした。
モズって、器用だから他の鳥の鳴きまねをするんだって、今のはたぶん、セキレイの真似よ。
ほら、あの甲高い声で鳴いてるのが、モズの本当の鳴き声なのよ。

『へー、面白いね~♪物まね芸人ってところね』
「他にも、カラスが、サギの真似をして、魚を追って川の中を歩いているのを見たことがあるわ、こうやってね…」
わたしが、そのときの様子を真似て歩いて見せたので、アイリスは大笑いした。

「里山を歩いていると面白いよ。これから、冬鳥たちが渡ってくる季節なの、今年の冬は一緒に鳥見をする?」
と聞くと、アイリスは頷いた。アイリスのお誕生日に双眼鏡をプレゼントしてあげようかな?

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二人して空を見上げていたら、輪を描きながら上って行く鳥が目にはいった。トビかしら?と言って眺めていたけど、二人同時に『あれ?ちょっと違う、トビじゃなくってカラスみたい』
「ほんとだ、カラスだよ。カラスってあんなふうに輪を描いた飛び方をしたかしら?」
『きっと、トビの真似をしてるんじやないの?だまされちゃったね』「ほんと(^_^)」

そんなことを話しながら、週末の森に着いた。わたしは、週末の森って呼んでいるけど、ここは、青梅の古刹「塩船観音寺」というお寺の裏手に広がる森なのだった。
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ツツジで有名になったお寺で、その花の時期には、観光バスが何台も連ねてやってくるような賑わいを見せるが、今はあまり訪れる人もなくひっそりとしている。
四季折々、桜、ツツジ、アジサイ、彼岸花、萩、山茶花と咲き続きそれぞれの季節ごとに趣がある。今は、白い山茶花が楚々と咲いていた。

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門前の木像の仁王様も、なかなか迫力があって、素晴らしいと思う。ご本尊様の大日如来像や、千手観音像も、とても美しい仏像だし、竹を組んだようなかやぶき屋根の内部も珍しい造りなのじゃないかと思う。
撮影禁止なので内部を撮れないのが残念だけれど、古くて趣のある建物だと思っている。
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ちょうど七五三のお参りに来た家族ずれがいて、わたしたちは思わず「かわいい~♪」と声を合わせてしまった。
「アイリス、あなたもあんな時があったのよ!」なんて思い出話をしたりして(^^♪
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見晴らしのいいところで、お弁当を食べようかということで、尾根の上に登った。

少し汗ばむくらいの陽気に、足元にはカタバミの花が春のように咲いていてタンポポの花もちらほらと咲いている。

キチョウやヤマトシジミチョウが、ひらひらと舞っていて、まるで春かと見間違うほど長閑な小春日和だった。
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『おかあさん、轟々と音がするけれど何の音かしら?』とアイリスが尋ねた。
「あれは、尾根をゆく風の音よ。」
『えっ、ここは少しも風が吹いていないのにどうして?』
「どういうわけか、ここの尾根道は風の通り道なのよ。下がゴルフ場になってるから、吹き上げてくるのかしらね。
理由は良く分からないけれど、冬に、下の森の中にいると穏やかで暖かな陽だまりなのよ。
でも、尾根の上は、赤松林の上を風が吹きぬけている感じよ。
轟々とまるで海鳴りのように風が音を立てているの。
森の中でそんな音を聞いているのも凄く不思議な気分になるわ。」

『ふーん、不思議なところね…』とアイリスは言った。
こんなに小さな丘のような森なのに、冬鳥たちがたくさん来るのも何か訳が在るのかも知れない。
そして、わたしたちは、森を歩きながら、落ち葉や木の実や、きのこや、ススキや、秋の花々を愛でて歩いた。
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草薮になった小さな尾根は、昨年ブルトーザーで崩されていたが、また、以前のようにススキやセイタカアワダチソウなどが繁茂する尾根に戻っていた。
わたしは、内心、良かったと思った。これで、きっと今年もまた、冬鳥たちの楽園になるだろうと思った。

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ジョウビタキやベニマシコ、カヤクグリやアオジたちが帰ってきてくれるだろう。そんなことを思っていたら、チチチ、チチチとか細い鳴き声がして、数羽の鳥が飛び立った。飛び立った後姿の黒い縁取りのある白い羽が、目に鮮やかに飛び込んできた。
ホオジロたちだと思った瞬間。わたしの記憶の中に、一面の枯れ色の尾根が蘇った。

凍える指先で双眼鏡を覗きながら、彼らの姿を追ったこと。ゆらゆらと枯れススキに掴まって囀っていた愛らしい姿が浮かんだ。
今年もまた、そんな季節がもうすぐそこに来ているのだ、今年は、この風の森をアイリスと二人で歩ける予感がした。
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そして、来年の早春まで、冬鳥たちの愛らしい瞳に癒される週末を過ごせるだろう。

森を抜けて風の谷戸まで歩き、また、ふたたび週末の森まで、
あなたと歩けて楽しかったよ。
こんな秋の一日を、わたしは、大切に心の中にしまっておくね。
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赤いひと葉…ひっそりと、夕空に浮かんでいた。
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コメント

風の森を読みました

サギのまねして歩くカラスをまねして歩くsizukuさん。
ちょっと想像してにやりとしてしまいました。
冬鳥のシーズンですね。私もぽつりぽつり冬鳥に会うようになりました。

アイリスさんとのすてきな会話と時間、楽しく読ませてもらっています。
お二人の感性を重ね合わせて綴られる里山の情景を、
これからも楽しみにしています。

シューさんへ

シューさん、いつもありがとうございますm(__)m

サギのまねをしたカラスのまね(^^♪足をこうやって、水の中をかき混ぜて、魚を追い立てながら、歩く様子です。きっと、笑えます(笑)
アイリストのやり取りは、親馬鹿になってしまうかも?って、心配ですが、シューさんのように暖かく見守ってくださるとありがたいです。
今後も、綴って行きますが、お付き合いくださいね(^^ゞ
冬鳥の季節ですね…山でルリビに会いましたよ(^^♪

ビノキュラー

いやあ、親はみんな親ばかですよ。
というか、親だからこそ見えるすごさっていうものもあると思います。
プレゼントに双眼鏡、いいじゃないですか。
ここは思い切って一生使えそうな高級品を…!^^)

私もルリビタキに会いました。

shuさんへ

shuさん、お返事遅くなりましたm(__)m
shuさんもルリビに逢ったのですね♪ジョビも来てるみたいです!
ビノキュラー、shuさんのお勧めですか?ありがとうございます。
>ここは思い切って一生使えそうな高級品を…!^^)
でも、高価なんですね。自転車が買えちゃいます~(^^ゞ

アイリストの北八ヶ岳、アップしました。よろしかったらご覧いただけたら嬉しいです。

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桔梗(sizuku)

Author:桔梗(sizuku)
ブログ“風に吹かれて”へようこそ!
日々の想いや、懐かしい思い出などを綴っています。
山や森や里山に身を置き、心を遊ばせて
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そんな、管理人です。
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