風に吹かれて

風に託すのは遠き夢 風に囁くのは儚き恋 風は形のない遠い記憶…

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雨に濡れても…

ここしばらく、アイリスとの秩父路の旅に、行っていなかった。

「久しぶりに、出かけようか?」ということで、急遽、アイリスのお休みに合わせて休暇を取った。

けれど、あいにくの小雨模様…
『雨だぞ、こんな日に出かけるつもりか?止めろ』と、主人に言われたけれど
でも、アイリスもわたしもめげてはいなかった。
ふたりとも、雨の日も結構、好きなのだった。

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アイリスは、雨が降りそうになると『あっ、雨の匂いがするね…いい匂い』と、嬉しそうに言うのだった。
わたしも、木々の葉を伝う優しげな雨音を聞くのが好きだった。

そりゃぁ、抜けるように美しい青空や、涼やかに吹き抜けるそよ風は大好きだけれど、雨の日だって嫌いじゃない。

そんなところ、親子でよく似ているのだった。

アイリスは、紺の小さなギンガムチェックに、細いレースの縁取りがあるシックで可愛い雨傘。
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わたしは、いつもの水色の雨傘。お気に入りの傘を車に積んで、さぁ、出発よ!
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photo by airis


今日はどこに行こうネ?ってことで、わたしは、三峰に近い白久駅にある蓮園に行ってみようか?と提案した。
蓮園がある場所は、山々に囲まれた秩父盆地に広がる田園風景の美しいところだった。
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そんな山里に点在するローカルな雰囲気の駅舎を結ぶように続く線路と、時々、この風景の中を走るSLの姿は豊かな自然に、しっくりと溶け込んでいるのだった。

アイリスは、5月に見たSLの姿を思い出したのか、今日は走らないのかな?と線路を眺めていた。
線路沿いを走りながら、SLの、あの、おなかの底に響くような汽笛と、しゅっ、しゅっと走る力強い車輪の音が、耳を澄ませば聞こえてきそうな気がするのだった。
緩やかに曲がる細い里道をゆっくりと抜けていくと、行く手の田んぼの一角が、淡いピンク色に染まって見えた。

「あっ、あそこね!」『わぁ、綺麗!』煙るように小雨が降っていた。
蓮の花は、雨に滲むように咲いていた。
わたしたちは、車から降りて傘をさして歩き出した。
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photo by airis

わたしも、アイリスも、こんなにたくさんの蓮の花を、間じかに見るのは初めてだった。
白い蓮、淡いピンク色の蓮、薄紅色、濃いピンク色、柔らかなアイボリーと、色や形の違ういくつもの品種が植えられていた。
雨の中の蓮の花はいっそうしっとりと美しい気がした。
その艶やかな花びらの上に雨の雫をいくつも付けていた。

大きな葉の上には銀色の露が玉のように光り、ふるふると揺れてとても綺麗だ。

アイリスは、大きな花びらから零れ落ちそうな、花の雫を狙ってカメラを向けていた。
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photo by airisu

わたしは、雪洞のように浮かぶ花明かりが美しくてカメラを向けていた。
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同じ被写体に向かっても、お互いの感性が赴くままに、好きなようにカメラを向ける。
そんな風に示し合わせたわけではないのに、自然にそうなっていた。
わたしは、アイリスの姿に視線を投げた。
一心に、大輪の蓮の花と向かい合っていた娘の姿に、自分の姿が浮かぶような気がして、ちょっと嬉しかった。
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アイリスが撮ったこんなアングル、なかなか新鮮でいいね。
それに、蓮の花の写真もクリアで、花色もとっても綺麗に撮れている。
アイリスの写真の方が上手かも知れないと思う。
それは、とってもうれしい事だった。

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photo by airis


わたしが撮った雫写真、花の雫だけじゃなく、葉っぱの雫もおもしろいよね。
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風が吹くと雫が揺れるよ…
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雨の日って、面白い発見がある。蓮の葉にたまった雫が、だんだん膨れて大きくなってくると、いきなり葉っぱがくるんと下向きになって、雫がバッシャっと、こぼれる仕組み(^_^)

うーん、よく出来ているね。雫をこぼした後の葉っぱは、またしゃきっと上向きになって何事も無かったように、ころころと銀色の雨水の雫をこしらえ始めている。

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ねぇ、アイリス。蓮園の、あちらこちらで、バシャッ、バシャッって、大きな音がしてるけど、蓮の葉のいたずらだってこと、気付いた人がいるかしらね。

蓮の花だけじゃない。ねむの木もアメリカコスモスも、色とりどりの紫陽花も、みんな雨の中…雨に濡れてしっとりと綺麗だね。
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photo by airis

いくつかの札所も回った。今日は、橋立寺にも立ち寄った。
断崖絶壁に囲まれた不思議な雰囲気のお寺だった。
今日は、雨に煙る山並みが墨絵のように、モノトーンの濃淡に霞んで見えた。

『なんだか、西遊記の世界みたいね。』と、アイリス。
「そうね、確かに…」と、わたし。牛魔王が出てきそうだね。
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そして、鍾乳洞に入ってみた。竪穴式の鍾乳洞で、入り口は下で、出口は、上にある。

洞内を上へ上へと上って行く。背を屈めて、やっと潜り抜けられそうな狭いところや、水が滴り落ちているところや垂直に近いような急なはしご状の階段を上っていく。
今日は平日だから、他に見学者もなく、わたしたち二人だけ。

『おかあさん、怖いね。閉じ込められたらどうする?』
「お母さんが、先に行こうか?」
『ううん、後ろも怖いもの、先に行くよ』
「なんだか空気が薄い…気がする~(^^ゞ」

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どうにかやっと、出口が近づいたようだね。風がどこからか流れてきているよ。
『あっ♪おかあさん、あったよ。出口。良かった~!』先に行ったアイリスが嬉しそうな声を上げた。

わたしたちは、外の明かりが漏れる木の引き戸を開けて外に飛び出した。
「ああ怖かったねぇ。」外に出れた嬉しさで、お互い顔を見合わせて笑ってしまった。

そうして、もう一つ、立ち寄ったお寺は久昌寺、大きな蓮池があると聞いたけれど、こちらはまだ、咲き始めたばかりだった。
ふたりで大きな池の周りを歩き出すと、アイリスが蓮の葉の上にいる蛙を目ざとく見つけた。『かわいい~♪』
早速、蛙を撮るのに夢中になる。こんな所も、わたしと似ているな。
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そのうち、わたしたちが歩くと、あちらからもこちらからも面白いように蛙が飛び出してくることに気が付いた。
ぴょん、ぴょん、飛び出して、ポチャン、ポチャンと水の中へ。
次々と飛び込んでいく姿が可笑しくて、また、笑いあってしまった。

美味しいお蕎麦を食べ、帰りには、お決まりの美味しいコーヒーとケーキ。
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娘とのちいさな旅は、ほんのりと、絆を深めてくれる。
『今度は、おねえちゃんもこれるといいね。』
帰り道、アイリスはポツリとそう言った。

「ありがとう…やさしいね。」
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桔梗(sizuku)

Author:桔梗(sizuku)
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