風に吹かれて

風に託すのは遠き夢 風に囁くのは儚き恋 風は形のない遠い記憶…

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その先の風景

3月末から通い詰めた奥武蔵の山に、今日もまたやってきてしまった。
奥多摩の山に行こうか迷ったのだけれど、やっぱり、あの静かな明るい山域に惹かれてしまった。
落葉樹の林は冬から早春にかけては、とっても明るくて凛と澄み渡った青空が冬木立の上に広がっていた。わたしは、足首まで枯れ葉に埋もれながらザクザクと落葉を踏んで登っていった。
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早春の山には可憐なヤマエンゴサクが咲き続く
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ハナネコノメやコガネネコノメも渓流沿いに咲き続く

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渓流に謳う、ニリンソウ…キラキラと水の照り返しが、水玉のように輝く。
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苔むした岩に、春光は、優しくそっとスポットライトを当ててくれる。

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木洩れ日が立ちはだかる大岩に注がれ、その岩壁を清らかな流れが滑り降りてくる。輝く光を浴びて見上げていると、その屏風のように聳える大岩は、神々が宿っている神聖な場所のような想いに捕らわれる。

けれど、そこから流れは枯れ葉のなかに消えて行く。
川の源流は伏流水になって大地の岩の下を流れていたのだ。
耳を澄ませば、微かに聞こえてくる水の音…。ポコポコ、ポコポコ…。
あなたは、そんな清流の音を聞いたことがありますか?
本当に優しげで歌うような、微かな微かな声なんだけれど…。
聞かせてあげたいなぁ。
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道無き道を辿って、枯れ葉の急斜面をよじ登ったけれど、目指す尾根には出れなかった。道を間違えたみたい…林立する木立ちの上にはただ青い空が広がっていた。
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4月中旬になって、わたしは、尾根に佇むブナの巨樹を求めて、再びその沢を訪ねた。これで4度目、毎回巨樹を探しているのに見つからないのだった。
「巨樹なのに、どこに姿を隠しちゃったの?」そんな独り言。
わたしは、冬に辿って道に迷ったもうひとつの沢に沿って登ってゆく事にした。「今日こそは見つけるわ!」踏み後のような頼りない道だけれど、何故か今日ははっきりと見えてきた。きっと冬は、降り積もる枯れ葉と、微かに積もった雪とが、その道筋をかき消してしまっていたのかも知れなかった。
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淡い芽吹きに山々は萌黄色に染まり始めていた。
山桜の淡いピンク色や、楓の茶色が、まるでパッチワークのように彩りを添えて、わたしはこんな色合いが好き。
森影の小道には、点々と咲き続く、スミレやニリンソウ、ネコノメソウやミツバコンロンソウ、ヤマエンゴサク、そして灯火のようなカタクリの花…。

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そして、やっと出逢えた。ブナの巨樹。
尾根の一番奥にどっしりと根を張り、大きく横に腕を伸ばすように枝を広げていた。
その苔むしたコブだらけの逞しい幹、長い年月を風雪に耐えこの地に生き続けてきた姿に心打たれた。わたしはその樹に寄り添い両手を回した。懐かしい温もりを感じた…そう、父のような…
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そして、5月になった。浅い芽吹きは日に日に鮮やかな黄緑色になった。
1週間前の4月下旬にも訪れたけれどそのときよりもいっそう豊かな新緑に満たされ、風に揺れる木々の葉を透けて、日の光は緑のシャワーのようだった。
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渓流には、ヒメレンゲ、ミミナグサ、クワガタソウ、咲き残ったエンゴサク、ニリンソウ、コガネネコノメ、そしてカタクリの花

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ヒメレンゲ
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ミミナグサ
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クワガタソウ

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カタクリ

渓流の水面は、散りゆく山桜の花びらと日の光を浮かべて流れて行く。
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わたしは、登りながら足元に目をやっていた。先週、いくつも見つけていたスミレの葉…きっと咲いていると思ったのだけれどな。。。
「あら・・・この白い花、この葉は、もしかしたらシコクスミレ?」
まるで、『わたしに気づいて』と言わんばかりに、大きな楓の樹の根元で見上げているようだった。
シコクスミレに出逢えるなんて思っても見なかったから、とても嬉しかった。
白い花は可憐に咲いていた。
小さな花なのでレンズをマクロに取り替えて写したけれど、ぶれてしまって上手く撮れなくて残念だった。
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今日も巨樹は美しく佇んでいた。芽吹きが始まって、小さな緑の葉が高い梢で風に吹かれていた。
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今日は、その先の道を辿ってみよう。わたしは、登山道を辿り幅広い尾根道へと辿り付いた。風が吹き渡る爽やかな尾根は見晴らしがとっても良かった。
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この尾根は、小さな小さなフモトスミレが咲き続く道だった。幅広い尾根道いっぱいに咲く、愛らしいスミレ…。わたしは、しゃがみこんでは写真を撮った。嬉しくて、嬉しくて夢中になってしまった。
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そして、もうひとつのブナの巨樹を見つけてしまった。
ウノタワの巨樹と兄弟みたいな気がした。きっとそうね。負けず劣らず素晴らしいブナの巨樹だった。
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まるで岩のような木の根。大地をしっかり掴んでいた。
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タイムリミットが近づいたので、わたしは巨樹とスミレにさようならを告げて尾根を後にした。
今日は新しい風景を見ることができた。逢いたかったスミレや巨樹に逢えた。わたしは、また、その先の風景を探しに来ようと心に誓ったのだった。
さあ、新緑の谷へ降りていこう…
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シークレットさんへm(__)m

コメントありがとうございます。一緒に、山旅をしてくださって嬉しいです。
800mほどの山域に、思った以上の巨樹がありました。沢もあるし、源流もあるし、おまけに気持ちのいい窪地もあります。急な所もありますが、手付かずの自然が心地よいです。

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桔梗(sizuku)

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